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Posted by naturum at

2012年10月27日

化石の分子生物学 (その2)

表題の本は、「ジュラシックパーク」好きにはパンドラの箱である。
開けると絶望が広がり、最後に一筋の希望の光が残る :)

まず先日紹介した「恐竜の化石からDNAを解読できるか。」
この問いに対して「化石の分子生物学(著者:更科 功)」では、
アミノ酸の分析から切り込んだ研究を紹介している。

DNAよりも半減期が長い(=壊れにくい)タンパク質は、
光学異性体(D体/L体)を持つアミノ酸からなる。
生物が作るタンパク質のアミノ酸は、死後、
ラセミ化という反応によってL体からD体に変わっていく。
このD/L比とDNAの解読可否の相関をとると、
D/L比だけで実験データの検証ができるそうだ。

そして、これまで報告された「恐竜のDNA」の検証が行われた。
残念ながら・・・恐竜のDNAという報告はきわめて疑わしい、
という結果になってしまった。
おそらく環境中に漂うDNAが化石に混入したと考えられる。

先日書いた「DNAの半減期」の話からも、
本書で紹介されている数々の研究からも、
6500万年前に絶滅した恐竜のDNAを解読することは、
困難を超えて限りなく不可能であると感じられる。。。

ただひとつ、希望とも言える記述がある。
それは、一番保存条件の良い例として琥珀の中が挙げられている。
3500万年前のアミノ酸分析結果は良好だったそうだ。
現在のDNA解読の方法は、PCRというDNAの増幅技術に頼っている。
増幅不要である一分子DNAシーケンサーという技術が実用化間近であることから、
琥珀中のような条件をもつ化石を見つけることが出来れば、
恐竜のDNA分析が可能となる日が来るかもしれない。



黄河象

K-5  DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR

コウガゾウの実物大の模型。
琵琶湖博物館の記事・・・「恐竜のほうが良かった」なんて思っていませんよ :)
すごい迫力である。

マンモスのDNAは解読されているようなので、
絶滅種復元としてはこちらのほうが早そうだ。
  


Posted by dzuh at 13:23Comments(0)雑記